弔 辞

 名古屋大学難処理人工物研究センター助教授、故齋藤豊文先生のご葬儀が営まれるにあたり謹んでご霊前に哀悼の辞を申し上げます。
 先生は、平成三年名古屋大学大学院工学研究科博士課程をご修了後、直ちに名古屋大学に奉職され、情報工学科助手、講師、助教授を経て平成九年に創設されました名古屋大学難処理人工物研究センター助教授に就任、かつ、名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻においても兼担助教授として、高いご見識とお人柄により教育と研究に多大な貢献をされました。  先生は、一貫して画像処理アルゴリズムの研究を続けられ、新しいアルゴリズムの開発、ディジタル画像の幾何学的性質の理論的解明、画像からの知識獲得と発見科学の研究、それらを応用した医用画像処理の研究、などに多くの輝かしい成果をあげられました。平成四年には画像電子学会会誌百号記念論文賞を受賞されています。また、先生は電子情報通信学会パターン認識・理解研究会幹事として学会活動にも貢献されました。
 先生は難処理人工物研究センターにおきましても、名古屋大学化学物質管理システムの開発、難処理人工物の無害化・再資源化のための解析システムの構築を分担されるなどセンターの発展のために多大な貢献をされました。また、当センターのホームページの充実と情報システムの管理面でも活躍され、その熱心なお仕事ぶりは教官と職員の大きな信頼を得ておりました。
 齋藤先生は学生の指導にも非常に熱心でありました。研究室では常に学生とともに日夜を分かたず情熱を持って指導にあたり、多数の学生に論文を発表させるなど、研究室全員からもっとも頼りにされる存在でした。このように、多くの人から信頼され、期待される若手のホープであり、今後は名古屋大学を背負ってたつことのできる逸材でありました。このような先生の発展の道半ばにおけるこのたびの悲報は誠に惜しみて余りある痛恨事であり、特に前日までのお元気なお姿を思うにつけても全く信じ難い事であります。
 しかし、先生の残されました教育・研究のご業績は不滅であり、ご指導いただいた後進のものたちが、その教えに基づいて必ず大きく発展させてくれるものと信じます。
ここに心から先生のご逝去を悼み、生前の輝かしい成果と研究、教育への情熱に対して限りない敬意と感謝を捧げ、弔辞と致します。

平成十二年十月二十九日


名古屋大学難処理人工物研究センター長

山内睦文